市民交流拠点施設について

NPO法人まちづくり二本松

1. 事業の目標

 

(1) はじめに

·    市民交流拠点施設は、二本松市都市再生整備計画における「賑わいづくりのための数値目標」を達成する役目を担うものである。これゆえ、公設民営の方針のもと、中心市街地整備推進機構として指定を受けたNPO法人まちづくり二本松が主体となって運営することが期待されている。

·    しかし、中心市街地の空洞化や財政事情などの課題が顕在化し、構想着手当初の時点から、環境が大きく変動している。あらためて地域協働の観点から「少ない費用で、どうやって皆の元気を引き出し、力を合わせて地域を活性化させるか」という原点に返った検討が必要である。

·    本計画はこのような観点から、実際の整備にあたり「地球市民交流拠点施設」として、より明確な特色づけを図り、活性化のアイディア固めに力点を置き、効果が上がる施設計画と運営のあり方を検討したものである。

 

(2) 施設整備の意義

·    全市的活性化の口火となる事業として、特に下記の点について配慮したい。

@ まず元気の出るまちづくり

·      施設が活性化本部として、全市的活性化をリードする機能を持つ。これにより、中心市街地のみならず、全市的に、まず「元気が出る」こと、次いで「活性化の取組みが継続する」ことが期待できる。

A 閉塞状況打破の革新性・新規性のあるまちづくり

·      施設が美術館、平土間の多目的展示空間、長時間保育施設、共通駐車券・共通利用券システムなど、今までになかった機能を持つ。これにより、新しい人の交流・物の交流・情報の交流を生み出すことが期待できる。

B テーマとオリジナル性のあるまちづくり

·      景観などへの配慮を含み、二本松ならではの地域資源の活用を図りながら、それを磨く機能、テーマを持った事業とする。これにより、酒、菓子、家具、和紙などの特産品・地域ブランド起しや新たなビジネス・商品・創業を生み出すことが期待できる。

C 即効的な回遊性を出すまちづくり

·      中心市街地活性化の一環で「回遊」のまちづくりを実現する機能。中心市街地活性化の事業として、各地区において構想されている主な事業は以下の通りであるが、本事業はこれらの拠点整備と連携し回遊ネットワークを形成することが期待される。

回遊のまちづくりイメージ

·      今回の拠点整備を機に、下記の要領で段階的な回遊性のアップを図りたい。

·      なお、回遊のためには、拠点をめぐって歩きたくなる仕掛けとして、長野県小布施町で実施されている、複数有料施設の共通入場券のようなソフトが必要と思われる。

D 波及効果のある総合的なまちづくり

·      広域的に人を呼ぶ機能。これにより下記の政策課題の解決に関連を持つもの。今回の事業を突破口として、無理なく様々な問題解決が軌道に乗る事業としたい。

ア) 中山間地域の活性化の突破口

イ) 環境・景観・少子高齢化対策への突破口

ウ) バス交通の活性化の突破口

エ) 菊人形の活性化提案など公営事業経営改善の突破口

 

2. 施設の基本機能

 

(1) 施設コンセプト 

「二本松活性化本部−国際交流まちおこし支援センター」

@ 活性化本部機能の発揮

·      二本松商工会議所、あだたら商工会、金融機関、まちづくりNPO等が結集して公民一体の二本松活性化本部を構成。困難な状況の突破口を創る。

·      観光戦略センター(観光協会の機能強化+市観光戦略部局)の設置により、農・商工・観光・まちづくり運動が一体となった活性化拠点機能をもたせる。

·      物産・直売機能はじめ、実験店舗・創業支援店舗を好条件で提供する。

·      国レベルの芸術に触れる意味で、大山コレクション以外にも二本松の芸術的持ち味をPRする。特に合併後の各々の地域の光を市民が認識することが大事

·      対住民・対観光客の全市共通活性化システムの突破口

ア)                 対住民サービス:ポイント還元+福祉事業+公共バス・タクシー・駐車場+公共施設利用 

イ)                 対観光客サービス:対住民サービス+共通利用券(期限を区切る)

 

A 生涯学習にかかわる各種団体、NPO事業の強力な支援拠点

·      中心市街地まちづくりの統合事務局としての機能のほか、さらにNPOが持つ新しい活性化の可能性を花咲かせるため、任意団体を含めた「NPOのためのNPO」として、市民にむけた啓発活動、NPOの支援とネットワークづくり、調査研究や政策提言を主な活動とする。

 

B おしゃれの国際交流センターとしての特色づけ

·      「ココだけ」、として世界に情報を発信し、JICAでつながる駒ヶ根市との連携による、ビジットジャパン運動の拠点とする。

·      地方において、フェアトレードを推進する拠点とする。

 

(2) 施設の内容

·    各種機能ごとに、施設基本機能は下記のように考えられる。今後、実施計画までの段階で、これらを絞り込み、詳細と設計・配置を確定したい。

  @ 来街利便・公益機能

·      駅前の立地を活かし、周辺の機能を補完する機能は以下の通り。

 1) 総合案内窓口

·       観光客相手の旅館予約、レンタサイクルなどの突っ込んだ窓口対応(運営システムは、オープンまでの今後2カ年間で整備することとする)

·       観光協会の自立・入居

·       大山コーナーの窓口(一階で全て管理も可能とする)

 2) 行政サービス

·       夜11時までの開館を基本として他の施設との差別化(コスト削減方策を考える)

·       駒ヶ根市のように住民基本台帳カードに対応した窓口サービス(システムは今後2カ年間で整備)

·       有料化するコミュニティ施設の予約など一元的サービス(システムは今後2カ年間で整備)

·       県立図書館含め図書館の出張窓口(システムは今後2カ年間で整備)

 3) 来街者無料休憩所

·       ギャラリーなどを含め、高齢者・退職者層の受け皿機能

·       高校生の居場所(規律維持・清掃含め自主管理を基本とする)

·       オムツ・授乳室などの子育て支援機能による子育て世代の来街者対応

 4) 来街者利便サービス

·       コインシャワーなどの補完機能(一部有料)

·       自動洗浄公衆トイレ(防犯性に優れた屋外公衆トイレ)

 5) 共同駐車場

·       24時間稼動で最初の1時間程度は無料

·       時間貸し、年間パスポート両用

 

A 活性化機能

·      今までにない、強力な来街動機を創出する駅前の立地を活かし、周辺の機能を補完する機能は以下の通り。

 1) 活性化本部事務所

·       金融機関・商工会議所・NPO本体などが事務局を構成し、各種相談に対応

2) 多目的ホール

·       菊人形など自主事業のほか、活性化のための映画上映や演劇などの企画が可能なもの

·       楽屋・講師控え室など多面的活用

·       冠婚葬祭など柔軟に対応、中ホールとして分割可能な形態

3) カフェ・売店(直営・テナント)

·       店番と事務局・案内窓口・3F運営を、場合によってはワンストップ2人程度で管理可能な形態に

·       インテリアやメニュー構成で演出を凝らし話題性のあるセッティングで提案、福島市・郡山市からの来街を誘う

·       亀谷まちおこしのKLMのような利用形態で、館長が指導するワークショップ空間

4) 長時間託児所

·       病院の託児施設との相互乗り入れ、市内事業所への提携による事業展開

5) 会議室

·       和室にもなるフリーセッティング対応

·       情報機器の活用などで大学サテライトとして開放することも想定

·       ガーリーナイト(気の合った女性どうしが、おしゃべりしたり、お互いの趣味を披露しあったり一夜を楽しく過ごすイベント)の受け皿も可能な形態

6) ギャラリー

·       望むべくは3Fまで含めた、一体的な自主運営

7) 関連するオフィス空間

·       場合によって、各種団体・専門機関・事務所など複数の団体の入居を予定

·       24時間フル稼働可能な便宜を検討

8) 関連するイベント空間

·       イベント情報発信機能(ミニFM、カーナビ情報)

·       IHクッキングヒーター、各種イベント対応の電気配線

·       ユビキタス対応・ネットに無料アクセスなシステム

 

             

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